
こんにちは、しちです。
お薬手帳と言えば、紙の手帳のイメージがありませんか?
もちろん、今でもお薬手帳を活用している人のほとんどが紙の手帳です。
しかし現在は、電子版お薬手帳として色んな会社がスマホアプリ版のお薬手帳を提供しています。
電子版お薬手帳が制度化されて実用開始になったのが、2016年4月からになるので存在を知らなかった人も多いかもしれません。
始まって4年以上経過した電子版お薬手帳ですが、便利な機能がたくさんあるのに全然知らない人が多いなと思ったのでここで解説していきます。
この記事を書いているしちについて
- 調剤薬局勤務9年目
- 小児科クリニックの門前薬局で2年経験歴
- 現在は小児科も掲げるクリニックの門前薬局勤務
- かかりつけ薬剤師として患者応対の日々を過ごす薬剤師
お薬手帳とは
そもそもお薬手帳とは何かと確認していきます。
それは、これまでに自分が使用した薬に関する情報を記録する手帳のことです。
具体的には、以下の内容を記載します。
最初または都度自分で記載する内容
- 氏名、住所、電話番号など個人情報
- アレルギーや副作用歴
- 市販で買った薬やサプリメント
- 医師や薬剤師に伝えたいこと
お薬手帳は自分で書いたりするのはダメと思っている方も多いですが、”手帳”なのでぜひ自分の体調のことや薬・サプリメントのことなど好きなことを書いて欲しいです。
また、副作用やアレルギー歴をきちんと書いてもらえるとこちらも薬の飲み合わせに活用できるので嬉しいです。
毎回薬局で記載する内容
- 薬をもらった日付
- 処方箋発行した医療機関と医師
- 薬について(薬の名前、量、服用回数、日数など)
- 調剤した薬局名
薬局で記載する内容は、最近ではシールで貼り付けてお渡しのことが多いですね。
小児の子供に対しては、薬の飲み方や保管場所に関しての注意点を書いたりもします。
内容でわかるようにお薬手帳は、その人のことを知るためのツールです。
薬を使うときにどのような注意が必要な方であると判断することができます。
お薬手帳を持つメリット
いざという時に役に立つ
普段は役に立つ機会が少ないお薬手帳ですが、いざという時に役に立ちます。
たとえば、
- 体調が悪くなり休日受診や救急病院受診をするとき
- 台風や地震などの災害にあったとき
- 旅行にいくとき
- 引っ越しして新しい医療機関を受診するとき
過去の経験から、特に災害のときは役に立ちました。
東日本大震災のとき、被災にあった地域ではパソコンが機能しなかったため、お薬手帳が医師が処方薬を選ぶ判断基準になったそうです。
普段受診する病院や薬局であれば、その人の情報をある程度保持していますが、旅行や急な受診でいつもと違う病院や薬局を利用すればその人を知るツールがないので不都合が生じてしまいます。
支払金額が安くなる
実は、薬の支払金額は2年に1回見直しが行われ、まったく同じ薬をもらったとしても金額が変動します。(直近では2020年4月にありました。)
2020年現在の制度では、条件がありますが手帳を処方箋と一緒に薬局に出すだけで金額を安く薬を受け取ることができます。
手帳を持参して安く薬を貰うための条件
- 前回から3ヶ月以内に再度処方箋を持参して薬を調剤してもらっていること
- お薬手帳を持参すること
- 前回と今回で利用しているのが同じ薬局であること(病院は同じでも別でもかまいません)
上記の条件を満たすと、140円(負担割合3割で40円)安くなります。
※負担割合やその他要件によって変動することがあります。
電子版お薬手帳について
電子版お薬手帳の特徴
名前は難しいですが、LINEやTwitterのようなスマホアプリと同じものだと思ってください。
基本は紙のお薬手帳と同じで薬の情報を記録していくものになりますが、スマホならではの機能があることが多いです。
例えば、
- 服用アラーム機能がある
- LINEのようにやりとりで質問できる機能がある
- 処方箋データを薬局に送付する機能がある
- 薬ができたときのお知らせ機能がある など
また、色んな会社が電子版お薬手帳を持ったアプリを出していて、数十種類に渡ります。
(数えようと思いましたが、数が多すぎて無理でした。)
薬局では、紙の手帳と同じ扱いで薬の情報を更新する対応をします。
電子版お薬手帳のメリット
- スマホを持ち運ぶだけでいいので、かさばらない
- スマホを忘れる人は少ないので、お薬手帳の忘れもなくなる
- 1つアプリで複数人のデータが登録・管理できる
- アプリを通じて、困ったことや相談ごとをやりとりできる
持って歩く必要がないのが最大のメリットです。
普段病院行かない方であれば、紙の手帳を常備していることはないと思います。
逆に、いまはスマホを持って歩かない人はほとんどいないですよね。
そのスマホにお薬手帳が入っていれば、常にお薬手帳を持っているのと同じ状態になるので、いざというときにも使えます。
1つのアプリで複数人のデータが登録できるのも良い点です。
お子さんが2人、3人いる方であれば、紙の手帳は夫婦の分も合わせて4,5冊必要になりますが、電子版お薬手帳であれば1つのアプリで全員分の情報が管理できます。
アプリを通じて、薬局の薬剤師とやりとりすることができます。
アプリによってできないものもありますが、LINEのようにコメントを送信できるものがあるので困ったときに電話よりも気軽に連絡することができます。
(この機能については、できないものもまだ多いので、利用している薬局に確認してください)
電子版お薬手帳のデメリット
- 電子版に対応してない薬局であれば、手打ち入力しないといけない
- 薬局ごとに得意な手帳アプリが決まっているので、それ以外のアプリだとやりとりに手間がかかる
- スマホの機種変更時にデータ引き継がないとデータが丸々削除される
- スマホの電池切れやエラー時には使えない
今はだいぶ減ってきましたが、それでもまだ電子版お薬手帳に対応してない薬局があるので、そのときは手入力で入力したり写真でデータを残したりしないといけません。
特徴のところでも記載した通り、各薬局やドラッグストアにはオススメのアプリがあることがほとんどで、それ以外のアプリに対しては知らないことが多いです。
そのため、色々確認しながらデータのやりとりをするので時間がかかってしまうことがあります。
これが最大のデメリットになると思いますが、スマホの機種変更時にデータ移行しないとデータ消えます。(アプリの機能にもよります)

大事なLINEやスマホゲームの情報などは移行しても、お薬手帳アプリは漏れますよね。
オススメのお薬手帳アプリ
先ほども記載しているようにどのアプリにするかは、自分がよく使う薬局やドラッグストアがオススメするものが良いと思います。
その理由は、アプリの機能を最大限に利用することができるからです。
薬剤師もたくさんある手帳アプリすべてを把握しているわけではないので、少なくとも自分たちがオススメするアプリの機能は熟知しているので、説明しやすいです。
一般的な機能でオススメなのかこの『EPAEK』というアプリです。

オススメの理由
- 登録してある薬局数が多い
- 処方箋データを送信して、薬局での待ち時間削減できる
- 薬の情報が自動バックアップされ、オフラインでも情報が確認できる
一番のオススメポイントは、加盟している薬局が多いことです。
デメリットに記載しましたが、加盟してない薬局では登録や確認に手間と時間がかかることがあるので、このアプリであればスムーズにやりとりできる可能性高いです。

自分が働いている薬局でも加盟しています
さいごに
お薬手帳についてと、電子版お薬手帳について記載しましたが、紙は紙なりの、電子版は電子版の良さがあります。
薬局で働く薬剤師としては、スマホで管理できる電子版お薬手帳は便利だなと思う部分が多いのでオススメです。
特に、家族の多い方や若い世代の方にはぜひ登録して活用して欲しいと思ってます。
電子版にするのであれば、優先はいつも使っている薬局やドラッグストアのオススメアプリにしてくださいね。
それがわからなかったり、なかったりしたのであれば、『EPARK』を活用してみてください。

薬の管理に関して便利になれば嬉しいです。